介護職における人間関係をよくするには③【相談できる相手を探すこと】

介護職を離職する理由として人間関係を上げる人は少なくありませんが、
人間関係は先輩、同僚、後輩だけではなく、上司との人間関係も含まれます。

上司となると職場環境とも言えますし、
業務負担の分散は上司を含めて話し合った方が話が早いです。

利用者さんからのトラブル、ご家族さんからのクレーム、職員同士のトラブル、いじめなども、
一人ではなくチームで対策を行うことで解決できることが少なからずあります。

だから話し合いが大事であり、
原因を分析することが大事になります。

できないと諦める前に、
少しだけ行動しましょう。

最後に刑事事件となった准看護師さんの話を載せていますが、
あなただったらどうすれば良かったか考えてみてください。

考えない事には状況は停滞か悪化するだけです。

考えて、
行動しましょう。

①暴力的な利用者を守ろうとした管理者
②利用者の暴言・暴力を見て見ぬふりする管理者
③有給消化できない
④休みがきちんと取れない事
⑤利用者の家族に文句ばかり言われ、管理者は守ってくれない
⑥地方は手取り11万とかザラ
⑦ストレスチェック
⑧厄介な利用者さんをガンガン入れてくる
⑨マタハラ
⑩事故への不安と職員の責任の重さ

①暴力的な利用者を守ろうとした管理者

以前、80代の女性で暴言や暴力がある利用者さんがいらっしゃいました。

他の利用者さんがゴミを放り投げるといった行為を見つけたらまず注意して、
その返事が納得いかなかったら手を挙げて威嚇してみたり、
お盆を両手で持って別の利用者さんの頭に振り下ろしたりと、
暴言だけでなく暴行もあるため施設としても毎週対策を練らなくてはいけない状況が続きました。

当時の施設長はそんな利用者さんについて、
「何とかここでの生活が送れるように頑張っていこう」
と職員を激励していましたが、
その利用者さんの権利を守るだけで他の利用者さんの権利は守らなくていいのかという疑問は拭えませんでした。

職員が24時間、
その利用者さんの相手をすることができればその利用者さんが他の方とトラブルを起きるのを未然に防げますし、
起きても対応できるため問題にはならないでしょう。

しかしそんなことは人員上不可能なのです。

その上でした対策は、
・食堂への誘導時間を一時間近くずらしてみる
・何かあったらすぐに職員が飛んで行って、その利用者さんをお部屋にお連れする
・事務所で過ごしていただく
事務所にお連れしたのは数回しかなかったと思いますが、食事時間をその方だけずらしても、
他の方が食堂へ行くのを見て一緒に食堂に来てしまうこともありましたし、
毎回成功するわけではありませんでした。

このように対策を取ろうとしても限界はあって、
転居を何でできないんですかという職員のクレームに管理者がもう少し頑張ろうと言って転居になることはありませんでした。

それが半年以上過ぎてからでしょうが、
本人の状態が悪化したことで、
他の利用者さんへのトラブルはなくなりました。

そしてその利用者さんが逝去されたことで、
問題は一応解決しました。

利用者さんの権利を守ろうというお題目は、
他の利用者さんの権利を侵害してまでも守ることなのか。

暴言や暴行を防ぐ手立てはなかったのか。

たった一人の利用者さんだけでも様々な事が起きてしまうのが現場なので、
問題を解決するというのはとても難しい側面がありますが、
だからこそ知恵を絞って様々な可能性を検証して試していくことが大切です。

時にはうまくいって問題が解決することもありますので、
そういった経験を積み上げていってください。

あなたの力になります。

②利用者の暴言・暴力を見て見ぬふりする管理者

最初に言っておきたいのは、
「自分の援助の方法が悪いから暴力が起きたのだ」
と改善点を探す姿勢は素晴らしいですが、
利用者さんの暴力を正面から受け止めるのはやめましょう。

あなたの体を守るのが第一です。

さて話を戻して、
暴言・暴力が起きているにも関わらず管理者がそれに取り合わない現場は、
早急に管理者より上の経営陣や困難事例対策委員などに報告して対策を講じましょう。

管理者が信用できない時点で、
他のスタッフと総出で事に当たるか、
管理者より上の権限がある人にも関わってもらうしかありません。

現場が頑張るのにも限度があるのです。

多くの人で協力していきましょう。

③有給消化できない

有給を消化できない理由は人手不足が主だと思いますが、
なぜ人手不足になったのでしょう? 

やはり給与や待遇が悪いからでしょうか? 

もし辞めていった人が待遇や給与以外に不満がなかったというならば話は別ですが、
人間関係に問題があったのだとしたら、
その根本原因は今の職場に起こらないか考えましょう。

その時の人間関係が悪かったのを管理者が気づかず、
悪化を許してしまったのか。

管理者が数年で交代するシステムだから、
管理者は変わるけど人間関係を改善させる空気はできずに今に至るのか。

また人手がいないから有給が消化できないのだとして、
人手を集める戦略が甘いのかもしれません。

少ない給与額を提示して人が集まらないのも当然だし、
社内の人間関係が悪くて人が辞めていくのも当然です。

魅力ある職場にしていく覚悟と、
求人に関しては他との差別化を行いここに入りたいと思わせる広報活動などが不可欠です。

ひとつひとつ整理していきましょう。

④休みがきちんと取れない事

以前働いていた現場で、
昼食前の準備時間が必要なため昼食前の休憩が取れないという問題がありました。

現場で昼食準備をしなくてはいけないのに、
その時間帯に30分の休憩時間が入っているため、
職員は実際は働いているのに休憩時間を取っているとみなされているのは納得がいかないとして、
不満が出てきました。

新人さんからの不満ではなくてベテランさんからも同様の意見が出たことから、
ほとんど全ての職員さんが同じ状況と言えます。

業務だから仕方がないと私も思っていましたが、
確かに休憩時間が全く取れずに昼食前の移動介助を始めなくてはいけなくなった時もあったので、
休憩時間という割にはそこまで休憩を取っていないという現状はありました。

この問題は午前中にあったお茶出しがなくなったことで職員さんへの負担が減り、
食事準備の時間は必要でも休憩時間がまず取れるという状況になったことで不満が解消されましたが、
他の皆さんは休憩時間、取れていますでしょうか?

どうしてもやらなくてはいけない業務の目白押しなので、
削れるところなんてないと言われるかもしれませんが、
少なくとも複数人で管理者に詰め寄ることはできるはずです。

休憩時間がまったく取れていないのに取っているということになっているのはおかしいとはっきり伝えること、
改善策はないか管理者側の意見を聞くこと、
こちらで改善策が思いつけば提案すること、
休憩時間が取れないのだから残業にするなど手当はできないのかなど、
妥協できる部分を探ること。

できることを全てやりましょう。

それでも改善が見られなかったらどうするかは、
それから考えましょう。

⑤利用者の家族に文句ばかり言われ、管理者は守ってくれない

今までの現場でこのような例はなかったのですが、
他施設ではこういった例が起きているようです。

クレームの内容が職員だけで対応できることだったり、
その職員に非があることであれば改善すればいいので前向きに対応していただければと思いますが、
そうでない場合が問題ですよね。

管理者とは何のためにいるのでしょう。

施設運営を円滑にするために、
利用者さんとご家族さんの間に入って調整をするのが仕事なのに、
職員が生活相談員や管理者と同様のクレーム対応をしているとしたら、
職員に不満が溜まるのは当然です。

一時的にそのような状況になってしまったのなら仕方ない側面もありますが、
常に管理者がクレームを職員に丸投げしていたとしたら、
もはや業務放棄であり管理者の資格はないと言わざるを得ません。

職員としての対策は、
他スタッフに同様の事はないかと確認して情報を集めるか、
ケアマネ等に相談して対策を練るか、
管理者の上長に相談するかでしょう。

管理者の問題をどうするかは一旦上の人に丸投げしましょう。

介護職員はそれ以外にしなくてはいけないことが山積みですから。

⑥地方は手取り11万とかザラ

給与の問題については、
いつでも辞められるようスキル、
経験をつけましょうとしか言えません。

社会問題となっている介護業界の人手不足を補うためには多くの人材が必要で、
しかも介護職は低賃金でなくては社会が回らないだなんて、
社会が介護職に強いるのは不公平だからです。

あなたがもし低賃金でも構わないと言うなら何も言いませんが、
こんな仕事やってられないと思うのでしたら、
転職活動で強くアピールできることを見つけましょう。

またアピールが見つからないというのでしたら転職活動を斡旋してくれる人材紹介会社に、
何があれば今より高給で採用されるようになるか聞いてみましょう。

出来ること、
思いつくことを全て行うことで何らかの方向性が定まるはずです。

⑦ストレスチェック

前職でストレスチェックというアンケートを毎年二回ほど行ってきましたが、
それで現場の問題が解決したことはありません。

退職する可能性がある人を見つけたいとか、
求職してしまいそうな人を見つけたいからそういったアンケートを実施するのでしょうが、
改善する見込みのないものをされても単に業務が増えるだけで
「それがストレスだよ」
とぼやく職員は私以外にもいました。

現場にある様々な利用者さんの問題、業務上の問題、有給が使えないなど、
問題はいくつもある中で、
ストレスチェックが任意ならまだ話は分かるのですが、
強制である時点で職員の負荷をよりかけているものという認識を管理者側は十分に理解してほしいですし、
そもそもの原因をどうやったらいいか考えるべきでしょう。

人間関係に問題はないか? 
待遇への不満はないか? 
こいったことへのアンケートで普段意見を口にできない人が書くというのなら意味はあります。

それら意見を元に是正するべき問題に取り組んでいくなら、
アンケートに対しての不満は自分もなくなります。

⑧厄介な利用者さんをガンガン入れてくる

どれだけ厄介かにも拠りますが、
明らかに介護職のキャバオーバーなのに新たに大変な利用者さんを受け入れた所で、
十分な介助ができるわけがありません。

ある特定の新人さんにとっての「厄介」ならば職員側で改善の余地がありますが、
毎回必ずオムツを外し弄便した手をベッド柵やシーツにつけるため、
居室に介助で入るたびにシーツ交換、洗濯、オムツ交換、陰部洗浄、着替えが必要になるような人は、
正直シーツもラバーシーツも掛布団カバーも人手も足りません。

一日二回以上必ずと言って転倒する利用者さん、
一日一時間以上にわたってナースコールを繰り返す利用者さん、
暴言・暴力をして他利用者さん、職員に被害を出してしまう利用者さん、
入浴介助、排泄介助、その他援助を断ってしまい汚れたまま食堂に来られる利用者さん、
廊下中に便の道を作る利用者さんなど、
厄介だと最初に分かる場合もあれば途中でADL低下などでなる場合もあり、
一概に利用者さんをこういう人なら大丈夫ですという事はできないし、
事業所の業績の事情もあるのかもしれません。

しかし職員がしっかりと安心して働けてようやく事業が回っていくわけですから、
従業員を蔑ろにしていてはそのツケは後々事業者が払うことになります。

昨今では訪問介護をしている事業者が年間何十と潰れてしまったと聞きますし、
経営が傾いて潰れてしまう施設も少なくありません。

その原因は人手不足が多いといいますから、
今いる貴重な職員を大切にしていただきたいと思いますし、
職員としては今の職場環境をどうすれば改善できるか話し合って真剣に向き合っていただきたいものです。

私もそうですので他人事ではありません。

退職理由は待遇だけでなく、
人間関係が多いといいます。

気持ちよく働けるよう皆で協力していきましょう。

⑨マタハラ

妊娠は、
避妊していても妊娠してしまうことがあるため、
妊娠コントロールができるとは限らないということをしっかりと把握していない人が少なくありません。

よって妊娠したから職場での業務負担を減らしたいという人に対しての批判は、
安直すぎます。

そもそも業務を減らす決断をしたのは管理者であるわけだから、
業務が増えたことに文句を言うべきは妊娠した人ではなく管理者に対してであるべきでしょう。

この人が妊娠しなければもっと楽でいられたのに、
と思うことは構いませんが、
それを本人に言ってしまうのはお門違いです。

もう一つ、
事例を挙げます。

妊娠したことを知った上司が、
本人の労働負担を減らそうと別業務を割り当てたり、
楽な業務に変更することによって、
残業がなくなったり業務が変わったことを本人が不当だとしてマタハラと思うケースもあるといいます。

この場合は上司の気遣いが仇となった形であり、
上司が業務を変更する前に本人と話し合いがしっかりとされるべきだったのでしょう。

妊娠初期はある程度の事が出来るからここまでやってもらってもいいですか、とか、
デスクワークならばこの時期までお願いできますか、など
「ここまでは働けるからここから業務を減らしていこう」という話し合いが行われればマタハラと本人が気に病むことはなかったはずです。

妊娠、出産は本来おめでたいことですし、
会社としても本人の今後の人生をより生きやすいよう、
今までの残業ができなくなることで給与が減るといったデメリットを踏まえて、
本人と業務の相談をしていただきたいと思います。

ちなみにこうした世間で言われているようなマタハラに私が遭遇したことはない理由としては、
今介護職は圧倒的な人手不足であり、
妊娠したから業務が母体に影響の出ない掃除やお茶出しに変わったり、
産休に入ったりする人を祝福することはあっても非難する人がいなかったから、
という職場に恵まれていたからかもしれません。

新人さんでも試用期間中に辞めてしまう人がざらにいる中で、
業務をしっかりとこなしてきた職員さんが産休でやめるというのに、
マタハラなんてやっていたら復職しなくなってしまうからそんなことをする職員さんはいなかった、
という打算的な見方もできますし、
掃除やお茶出しなどを手伝ってくれるだけでもありがたいと考えられる職員が殆どだったということかもしれません。

マタハラが起こる理由として、
その職員が妊娠しなければできていた業務ができなくなったことで他職員に負担がのしかかるのが我慢できないから、
不満が一気にマタハラとして妊娠した人に向かうのだと思います。

そうなってくると、
妊娠が分かった時点で職場の業務負担を考え直して、
職員の精神的、肉体的なキャパシティに考慮した業務フローに変えていかなくてはいけないのでしょう。

間違っても、
人手が足りないなか新たな利用者さん、
それも大変な利用者さんを入れるなんて愚策を管理者がしようものなら、
一気に不満が噴き出るのは言うまでもありません。

⑩事故への不安と職員の責任の重さ

85歳の認知症の女性がドーナツがのどにあった状態で亡くなった事件で、
その時お茶菓子を出していて、
女性に背を向けていた准看護師に対して有罪が言い渡されました。

女性の死因が窒息死だったのかと、
被告に過失はあったのかが争点でしたが、
判決では被告に同情できる部分はありながらも有罪となりました。

これが今後の介護業界に与える影響は決して小さくはありません。

介護の現場では転倒や事故など日常的に問題は起こっており、
ただでさえ人手不足の中、
全てを未然に防げる体制が築けている所は皆無といっていいでしょう。

職場環境は良好なところばかりではなく、
その上給与などの待遇が悪ければ業界全体が委縮してしまうのは当然です。

実際訪問介護のなり手が介護業界の中でも特に減っていますし、施設でも人手不足に悩まれている所はかなりの数でしょう。

今回の事例でいうと、
疑わしきは罰せずという方針が妥当だったのではないでしょうか。

准看護師は信頼されていたベテランであり、
情報連携が不十分だったのは本人以外にも問題はありました。

窒息死だったという明確な証拠もなければ、
本人の過失を問えるほどの確実な状況でもありませんでした。

これで有罪というのでは、
介護業界の殆どの業務がいつ有罪になってもおかしくなくなってしまいます。

この判決を踏まえて施設がすることといえば、
今まで以上のリスク管理と徹底でしょうか。

「のどに詰まらせるような食材は出さない」

このような制限が増えて、
利用者さんが食べたいおやつが限りなく減ってしまうことで、
食べたいという意欲が減退してしまうデメリットも生まれます。

高齢者の住む家がない問題でも、
高齢者がなくなった後の手続きが難航するため不動産業者が契約を嫌がるというケースが蔓延しているといいます。

サービスを提供するメリットよりもデメリットが明らかに大きい場合、
サービスの提供自体控えるのは当然なのですから、
介護業界にとっても、
そこで従事する介護職にとっても働きやすい環境を作ることが何よりも求められていると思います。

暴力を常に振るう高齢者を守って介護職を退職に追い込むのがおかしいように、
明らかな故意、過失でないのに有罪とする判決はどうにも受け入れられません。

介護職としては日々のリスク管理を今まで以上にすると同時に、
職場環境にリスクを助長するような体制があるのであれば様々な提案を行うことで自分の身を守っていきましょう。

自分の身を守ること、
身を守る術を身に付けることが大切です。

さて、どうだったでしょうか?

この記事のタイトルは「人間関係を良くするには」なので、
最後の記事は少しずれていると思われたかもしれませんが、
問題に対してどのように対処するべきかという観点では一緒ですので載せました。

問題を解決できない職場は空気が悪くなり、
退職者を止めることもできなくなります。

小さなことも、
大きなことも一様に日々の改善によって直していくしかありません。

頑張っていきましょう!(^^)!