介護現場でのパワハラ事例と6つの対処法【追い詰められる前にするべきこと】

以前まで働いていた有料老人ホームで行われていたチームミーティングや全体ミーティングにおいて、
話の主体は介護職員であり、
管理職側は基本的に話を進める役割を担っていませんでした。

介護職員が議題を用意して調査、検討を行ったうえでミーティングに臨み、
その場に参加したメンバーで決定を行っていました。

施設長が変わったことで全体会議では施設長のワンマンとなりましたが、
チームミーティングにおいては今まで通りでしたし、
全体会議も徐々にメンバーの自主性が尊重されていきました。

転職した新たな職場でも同様と楽観視していましたが、
先日参加した会議で介護リーダーの圧が凄かったです。

リーダーが話を進めていたAという話に対して、
介護職員がBという話をすることで話を進めようとしたところ、
リーダーは
「私はその話はしていません!」
と力強く言い放ち、
介護職員がBの話をする理由を説明しようとすると、
リーダーの返答は
「今私はこの話をしているんです! 私の話をしてくれますか?!」
といった取り付く島もない口調だったので、
介護職員側が折れて、
リーダーの話に合わせた形で話が進みました。

途中から聞いていた新人の自分としては、
話の内容について、
もしくは話の進め方について何かを言えるほど状況が分かっていなかったため、
どちらの言い分が正しいかは判断できませんが、
リーダーの言い方があまりにも威圧的で周囲を委縮させてしまうと思いました。

個別での対応だったとしても問題ですが、
それを会議の場で行う人なのだと認識を新たにしました。
あのような調子で毎回会議をされたら会議はリーダーの発表会でしかなくなり、
建設的な意見をしにくい空気が出来てしまうでしょう。

リーダーは最近、
事務作業を行いつつも介護の現場に立ち入るようになりましたが、
リーダーは介護の現場を十分に知りもしないで上から目線で指示をし、
インカムで細かい指摘をする割には、
自分が介護の現場に立ったらすぐに他の職員に任せて事務所に引きこもったりするため、
介護の人員として役に立たない以上に口やかましくありがた迷惑だと言われています。

この介護リーダーがいるために離職する人が出る始末で、
施設長も現場の問題点として認識はしていますが、
具体的に対処は出来てはいません。

介護リーダーは管理職側であり、
被害をこうむるのは現場の職員のため、
典型的なパワハラと認識していますが、
先日行われたコンプライアンス研修で、
部下から上司へのパワハラもあるという話を聞いたので、
改めてパワハラについて対処法を考えていきましょう。

パワハラとは

パワハラとは、
一般的には職場内における立場を利用して、
業務の範疇を超えて継続的に人格と尊厳を侵害する言動を行うことをいいます。

パワハラがあることで職場環境が悪化し、
雇用不安を与えて離職や自殺に追い込むことすらあります。

パワハラは6つの種類があります。

暴行・傷害など身体的な攻撃
□1. 手を出される・物にあたる・物を投げる

脅迫・暴言等の精神的な攻撃
□2. 他の職員の前で叱責される
□3.「給料泥棒」「役立たず」等、暴言を受ける
□4.「いつでもクビにできる」等、脅される

人間関係からの切り離し(隔離・仲間外し・無視)
□5. 仕事に必要な情報や指示を共有しない
□6. 挨拶しても無視され、会話を拒否される
□7. 飲み会や食事会に自分だけ誘われない

過大な要求(業務上明らかに不要なことや遂行不可能なことの強制、仕事の妨害)
□8. 1人では無理な仕事量を与えられる

過小な要求(業務上の合理性なく、能力や経験とかけ離れた程度の低い仕事を命じることや仕事を与えないこと)
□9. 仕事を与えらえず、雑用を強制される

個の侵害
□10. 交際相手の有無を執拗に尋ね、結婚を推める

パワハラの事例

昔、私が営業の研修で職人さんに同行していた時、
職人さんから何か道具を持ってくるように言われたのですが、
それが何か分からずに聞き返した際、
職人さんが持っている道具を壁に向かって思い切り投げつけて怒りを示したことがありました。

私自身、
社会人として未熟な状態でしたので怒らせてしまった側面はあったと思いますが、
今からして思えばあれもパワハラに該当します。

看護職から管理者への執拗な暴言もパワハラに該当する場合があります。

一般的に看護師は管理者よりも立場は下になりますが、
その看護師が現場で一番発言権があった場合、
新たに入ってきた管理者よりも立場が上のように振舞うことがあります。

それまで現場の事を分かってきたが故に発言力が新任の管理者よりもあるのは当然かもしれませんが、
だからといって
「あの管理者使えないな! なんとかクビにできないのかよ!」
などと言って回ったりされた場合、
大抵の管理者は精神的に追い詰められていきます。

経験者としての実績があれば対応が可能かもしれませんが、
新人の管理者が古株の看護師に対抗するには経験値が足りない事が多いでしょうから、
誰にも頼れないとパワハラによって追い詰められてしまいます。

パワハラかどうかは本人がどう受け止めるかによる

注意しておきたいのは、
仮に周囲からパワハラと思われたとしても、
被害を受けているとされる本人がパワハラと思ってない場合はパワハラになりません。

たとえば飲み会の席で酒を飲むよう勧められて、
本人が嫌だけれども上司や同僚から勧められて断れなくて飲んでしまうのはパワハラに該当しますが、
本人がそれを受け入れて相手からされる要望、要求を問題なしとしているなら、
それはパワハラ、アルハラに該当しません。

セクハラでも同様です。
「○○さん、結婚まだしてないんだよね? まだしないの? ねえしないの? 子供いると楽しいよ? ねえねえ」
と執拗に聞いたりすればパワハラ、セクハラに該当しますが、
本人がそのように聞かれることに嫌だとまったく思わないのであれば該当しません。

指導とパワハラの違い

管理者や指導担当者が新人を指導していて、
新人の覚えが悪いと段々と関係が悪くなって、
ある時から指導とは言えないようなパワハラに繋がることがあります。

指導とは目的があって、
どのようになってほしいから注意したり指摘したり教えたりするわけです。

利用者さんがふらつきがあるにも関わらずに歩き出した際、
それを見ていない職員に対して、
「〇〇さんが歩いてるよ! 気を付けて!」
というのは指導の範囲ですが、
「何見てんだよ! お前目ついてんのか? 馬鹿が!」
となると暴言であり立派なパワハラとなります。

舌打ちも状況によっては新人を委縮させてしまうでしょう。

ここで指導という観点で、
とても素敵なツイートをされている方々がいらっしゃいましたので引用します。

介護現場においては、
教えることを学んだことのない先輩が後輩を指導することで、
先輩にも後輩にも負荷がかかって職場の人間関係が悪化してしまい、
最悪新人が辞めてしまうことがあります。

それを防ぐには先輩がどのように教えるかを意識していく必要がありそうです。

「そんなことまで勉強していられないよ」
と言われるかもしれませんが、
教えるスキルは今後きっと役立ちます。

新人以上に余裕があるはずのあなたが、
教える技術やスタンスを意識して指導を極めて、
上記の【嬉しかった先輩】になれるように頑張りましょう。

パワハラへの対処法

①記録を残す
②職場の同僚や先輩で仲間を作る
③上司の上司に相談する
④職場の相談窓口に相談する
⑤外部の専門機関に相談する
⑥退職する

①記録を残す

ICレコーダーやスマートフォンで録音して、
相手が継続的にあなたにパワハラを行っていたという証拠を残すことで、
いざという時に重要な根拠とすることができます。

あなたが録音できる状況を整えることで、
ストレスが軽減され自然体で相手に接することができるでしょう。

録音できる機械を用意できない場合は、
日時、場所、誰から、何を言われたか、何をされたか等、
受けたパワハラの詳細を日記やメモに記録しましょう。

ボールペン等修正できないもので紙に書いてもいいですし、
パソコン上で日記を書いても構いません。

日々の出来事としてしっかりと日記を書きつつ、
パワハラが起きた際には録音して証拠を残すこと。

これら複数の証拠に確実に日時などが記載されていることが大切です。

証拠を数多く用意できるよう努めましょう。

②職場の同僚や先輩で仲間を作る

パワハラが起きている現場では、
あなた以外にも被害が及んでいることがあります。

あるいはあなた以外も被害の現場を見た同僚や先輩等もいるかもしれません。

信頼できる人を探して、
協力を要請しましょう。

あなたの状況を的確につかむことで何らかの解決策を示してくれるかもしれませんし、
話すことであなたが置かれている状況をより客観的に見ることもできるかもしれません。

あなた以外も被害にあっているならば、
協力して証拠を残すなどやれることが見えてくるはずです。

誰ならば信頼できるか、
誰ならば協力してもらえるかを見極めて相談しましょう。

③上司の上司に相談する

直属の上司からパワハラを受けている場合は、
その上司の上司に相談しましょう。

その際、
証言をしてくれる同僚や先輩、後輩に協力してもらって、
自分の発言には根拠があることを示すことが大事です。

感情的になることなく冷静に起こったことを説明できるようにして、
また相談した際に録音も一緒にしておきましょう。

後で「言った・言わない」の水掛け論を防ぐためです。

録音できるかに関わらず記録を残しておくことで、
何かあった際の証拠として役立ちますから、
録音と同時に記録も残しておきましょう。

④職場の相談窓口に相談する

法人によってはパワハラやセクハラ、コンプライアンス相談窓口など、
相談できる窓口を設けている法人もあります。

上司や上司の上司に相談しても一向に話が進まない場合は、
相談窓口に証拠を提示して相談しておきましょう。

匿名で相談できるか、
どういった流れで調査が行われるのかなど事前に聞いておくことで、
あなたの今後の動きも変わってくるでしょうから、
事前に確認しておきましょう。

⑤外部の専門機関に相談する

上司に相談しても相談窓口に相談しても解決しない場合は、
外部の専門機関に相談することで良いアドバイスを貰えるかもしれません。

活用しましょう。

【総合労働相談センター】

各都道府県に設置された、
厚生労働省による労働相談窓口です。

専門の相談員が電話または面談で相談に応じてくれます。

【労働基準監督署】

担当職員が事業所を視察したり、
代表者を呼び出して調査を行います。

状況次第で是正勧告や指導が行われることになり、
事業者側としては不名誉なことになります。

【NPO法人 労働相談センター】

創設27年以上のNPO法人の相談窓口です。

累計約8万件の相談実績あり。

電話・メール・面談で相談に乗ってくれます。

【かいけつサポート】

法務省の制度です。

当事者同士の話し合いで柔軟な解決を目指します。

「極力大げさにしたくない。社内で解決したい」とお考えの方向け。

【法テラス】

最終的に法的手段での解決を視野に入れている方向け。

法的な情報提供や、適切な相談窓口を紹介してくれます。

⑥退職する

誰に相談しても待たされるだけで一向に解決しない場合は、
真剣に退職を考える時期かもしれません。

退職も選択肢の一つにあると思えるだけで精神的にも安定しますから、
自分は退職もできるという状況を作り出すことを考えていきましょう。

最善を尽くして職場環境を改善する努力をしてもうまくいかなかったのであれば、
自分の心身が十分に健康でいられるように、
退職しましょう。

なお退職する際は一旦家族や知人など、
信頼のおける人に退職理由を相談、説明しておくと、
あなたの状況がより客観的に見えてくるかもしれません。
今後のキャリアを考える上でも外部のキャリアコンサルタントに相談して、
より良い条件の転職先を見つけることも視野に入れましょう。

いかがだったでしょうか?

パワハラとは何か?

パワハラの被害を受けたらどうすればいいかが明確になったのではないでしょうか? 

いじめの構造で、
逃げられない心理的な袋小路に相手を追い詰めるという場合があります。
「お前が他の現場で使えるわけがない!」
と断定されると委縮して転職しにくくなるという話もありますから、
自分がもうダメだと思う前に行動することが大事です。

あなたが生き生きと働けるように、
頑張りましょう(^^♪