介護職から異業種への転職は可能か?【介護職は何のキャリアにもならない?】

ネット上で、
「介護職は年収30万貰えるような現場もあるのに、
若い人に人気がないのは何故ですか?」
という質問があって、
それに対して、

「何のキャリアにもならないために若い人に不人気です。
単純労働は奴隷と同じと考えていて、
時給2千円にしても人が簡単に集まらない時代がくるかと思います。」

と返答されている方がいました。

一度介護業界に入ったら何のキャリアも身につかないのだとしたら、
確かに避けたくなる気持ちはわかります。

誰だってそうです。

だから圧倒的な人手不足もあって、
介護経験者が介護業界で転職できるのは当然として、
異業種に転職は可能なのかについて考えたいと思います。

①介護職は単純労働なのか?
②介護職は何のキャリアにもならないのか?

①介護職は単純労働なのか?

まず営業職について考えてみましょう。

どこに需要があって、
どんな人が求めていて、
どれほどのサービスや商品ならばそのニーズや悩みを解決できるかを真剣に考えて、
迅速に届ける。

これらを達成するためにはマーケティング能力が求められますし、
交渉能力も必要ですし、
結果として数字を上げなくては評価もされませんし生活もできません。

営業職が単純労働とは真逆であることはご理解いただけていると思います。

次に単純労働と世間で言われているものを列挙します。

・工場でのライン業務
・ホテルでのドアマン、受付、ベッドメイキング、清掃
・飲食店のホール接客、レジ打ち、調理補助、調理
・建設現場での作業
・トラックの運転手、配送員
・マッサージ店での施術、接客
・コンビニでの接客、レジ打ち
これは技術・人文知識・国際業務などのビザで就労が認められない職種(単純労働)として、
上記の職種が対象となっているため挙げさせてもらいました。

飲食店でのホール接客も単純労働に入るようですが、
本当にそうでしょうか?

次にスーパーの試食販売をしている販売員で、
通常スタッフが一日100個販売できれば上出来とされる中、
凄腕のスタッフが担当すると一日1000個販売してしまう例を紹介します。

メーカーから依頼殺到 お客が思わず引き寄せられる試食販売の世界 (1/4)

この凄腕スタッフは試食販売員を指導する立場の人であるとはいえ、
試食販売をするという意味では通常スタッフと何ら変わりはありません。

この試食販売も単純労働なのでしょうか?

清掃業務の派遣でも一目置かれ、
評価されるようになればリピート率も高まるといいます。

主婦が副業で家事代行業を行っているケースでも、
今まで毎日行ってきた家事が価値あるものとして認められ、
高収益を生み出しているといいます。

家事も単純労働でしょうか?

話を介護職に戻しましょう。

介護職は介護保険の枠内で収益を頂いているため、
他の販売員のように、
売れれば売れただけ個人の評価に繋がるわけではありません。

どれだけ質の高いサービスを提供したところで、
評価してくれるのは利用者さん、ご家族さん、施設スタッフといった
ごく僅かな人だけです。

それゆえに自分の価値が数値化しずらいため、
価値が分かりづらい側面はあります。

しかし、
分かりづらいからといって単純労働と言い切っていいのでしょうか?

新井あずき@北極で迷子さんのツイートを引用させてください。

介護は奥が深い仕事です。

一見すると簡単に見える配膳も飲食店で商品を提供するのとはまた違います。

一般的なファミレスならば笑顔で一声添えて商品を間違いなく提供できれば及第点でしょう。

お客様の顔を覚えなくてもテーブル番号とメニューが合っていれば殆どの場合問題はありません。

でも介護では→

利用者の顔と名前を完全に覚える必要があります。

同じメニューでも利用者の持病や嚥下咀嚼能力に応じて少しづつ食材や食形態が違うので、
食札にある名前と提供する利用者を間違えては誤嚥窒息アナフィラキシーショックなど様々な事故に繋がりかねません。

ファミレスならば「これは私のではない」→

と提供ミスにお客様が気づいてくださる事もあります。

しかし施設に入所されている要介護の方ではご本人も違いが分からなかったり、
意思表示をするのが難しい事も多いのです。

職員が間違いなく配膳するのが大前提だと思われます。

また、
配膳の順番や皿の位置確認も重要です。

全介助で時間がかかる、→

ソフト食で冷めると味が落ちて美味しく食べて頂けない、
自力摂取は可能だが食べるのが少し遅い方には早めに配りますし、
せっかちで真っ先に食事が来ないと不穏になる方も先の配膳になります。

同じテーブルの方にはなるべく同じタイミングで提供できるように、
温かい物は温かいまま食べて→

頂けるよう職員は全ての利用者の状態状況を考えて配膳の順番も考えつつ動いています。

脳血管障害の後遺症で半側空間無視のある方には認識している範囲(たいていの場合右側)にお椀や皿を寄せます。

視力の弱い方には主菜副菜の中身を伝えて位置も案内します。

片麻痺の方には滑り止めマットや→

自助具を用意しその方が食べやすいようご本人に確認しつつ皿を並べ直したり。

食事が自立の方に常食を提供する際も

「汁物が熱いので気をつけてくださいね」

「今日はお好きな魚ですよ」

など声掛けしつつ、
表情を見て体調チェック。

他にもたくさんあると思いますが、
未熟な私が思いついただけでも→

ざっとこれくらいの注意点やポイントある訳です。

厨房のミスで食札と中身が違っている事もあるし、
不足があったりもします。

少しでもおかしいと思ったら即他の職員に確認です。

なので入職したばかりの新人さんにいきなり配膳は無理。

指示がシンプルで比較的覚えやすいお茶配りから始める施設が→

多い気がします。

派遣先で初日からいきなり
「名前が分からなければ利用者さんにでもきいていいから、とにかく配膳して!」
と働かせる乱暴な施設もありましたが、
そこは所謂ブラックで他も色々酷かったです。

話は脱線しましたが、
無資格でも配膳はできますが、
けして簡単ではないという話でした。

新井あずき@北極で迷子さんのツイート

長い引用となってしまいましたが、
上記の例は配膳での考慮です。

移乗や着脱介助、入浴など、
様々な場面で知識と技術と考慮が必要になってくることをお伝えしておきます。

介護職が単純労働で、
単純労働は奴隷のようなものだと考えている人が考えを改めていただけると幸いです。

②介護職は何のキャリアにもならないのか?

介護職は人手不足のため未経験者でも正社員になれる業界ですが、
とはいえ経験者はより求められています。
給与や人間関係、結婚などで職員が減ってしまう中、
経験者がいれば組織の底上げができるためです。
なので介護職から介護職への転職は今までどれだけ現場に貢献したかをアピールできれば問題なく転職できるため、
キャリア形成はできます。

介護職員として初任者研修、実務者研修、介護福祉士、ケアマネジャーとありますし、
社会福祉士、看護師、理学療法士などを取得すれば更に働ける現場が広がります。

同職種でのキャリアアップにおいては資格を取ることでも、
資格がなくても経験によって評価されるのが介護職です。

では他職種に転職する場合はどうでしょうか?
介護職でどれだけがんばっても他の職種で使えるキャリアが身につかないのだとしたら、
一度介護職を選んだら二度と他の職種に転職できないことになります。
はたしてそうでしょうか?

介護職を経験することで一番身につく能力はコミュニケーション能力と言えるでしょう。

様々な高齢者とお話をしたり、
介助をする中で会話術や交渉術が身についたりしますし、
様々な問題が発生する中、
問題解決のために情報を集めて議論を重ねることで、
問題解決の糸口を見つけることができるようになります。

もちろん全ての問題を解決できるわけではありません。

対応困難事例がどこの施設でもあるでしょうし、
私も幾度も経験しました。

しかしそういった困難事例に果敢に挑むことによって、
普通の利用者さんへの対応は楽に感じられるようになります。

理解力があって記憶力がある利用者さんに対しては、
一度の説明で理解していただけますし、
記憶力がおぼつかなくても職員の誘導に合わせてくれる利用者さんになら、
それなりの方法を取ることもできます。

あなたが今までの経験をどこまで生かしたいかで働ける幅が変わります。

・介護職で働き続けたい → 介護職
・介護の知識、スキルを使って働く → 介護タクシー
・介護の知識、スキルを使いたいが、利用者さんや家族とは直接接しない仕事をしたい → 福祉用具関連の企業
・子供が好き → 保育士
・医療知識も身に付けたい → 看護師
・コミュニケーション能力をフル活用したい → 飲食業などのサービス業
・とにかくお金を稼ぎたい → 営業職

この中で特にお勧めなのが営業職です。

AI技術が発達し、
人間にできる仕事でも単純労働はどんどんロボットに取って代わると言われるようになりました。

介護職は幸か不幸かAIでは難しいと言われているコミュニケーションに重きを置く仕事なので今後も生き残るでしょうが、
もう一つ絶対に生き残る仕事は、
営業です。

需要がある所を真っ先に嗅ぎ分けて、
問題解決をするべくサービスや商品を提供していく営業職は、
今後より重要になっていくでしょう。

私は年齢的な理由で営業職を選べなくなってしまいましたが、
30歳までの人ならば迷わず営業職を選択していただけたらと思っています。

というのは、
これから日本でどれだけ職種が淘汰、変遷していこうと、
営業職は絶対になくならない仕事だからです。

そこで身に付けた情報収集能力やプレゼン能力、
コミュニケーション能力は一生役立つスキルです。

営業職は需要があるにも関わらずとても不人気な職種ですが、
失敗しても死ぬことはありません。

たくさん失敗して改善していきましょう。

もしあなたが介護業界、医療業界以外の仕事をしたいというのでしたら、
まず営業職を本気で検討してください。

新しいことを始めるのは怖くない。怖いのは新しいことを始めなくなることだ

~マイケル・ジョーダン~

考えてもみてください。

少子高齢化で日本の年金問題は既に瓦解状態です。

消費税は10%に跳ね上がり、
ゆくゆくは20%以上にしたいという思惑もあるといいます。

人口も減りGDPも減り、
税収も減り高齢者だけが増えて、
日本の将来は衰退の一途をたどります。

今必要なのは、
日本以外で働けるスキルではないでしょうか? 

英語を学びながら働けるところを探して、
現地で稼いでいける土壌を作れる人だけがこれから生きていけるのではないでしょうか? 
そしてそれが営業だったら最強です。

英語か中国語を駆使して営業ができる人が、
時代がどうなろうとも柔軟に対応できる人と言えるでしょう。

介護職ではキャリアが形成できないと本気で考えているのなら、
日本以外で働ける準備を始めましょう。

行動することで不安は霧散します。

頑張りましょう(^^)/