転職して介護職を選んだ理由【仕方なく選んでも大丈夫】

介護職を選んだ理由について、
介護労働安定センターの平成26年度介護労働実態調査「介護労働の現状について」から引用します。

・働き甲斐のある仕事だと思ったから(52.6%)
・資格、技能が活かせるから(36.2%)
・今後もニーズが高まる仕事だから(35.3%)
・人や社会の役に立つ仕事をしたい(32.0%)
・お年寄りが好きだから(25.6%)
・介護の知識や技能が身に付くから(24.3%)
・身近な人の介護の経験から(16.5%)
・自分や家族の都合のよい時間に働けるから(16.0%)
・生きがい、社会参加のため(15.0%)
・他によい仕事がないため(10.1%)

介護労働安定センターの平成26年度介護労働実態調査「介護労働の現状について」

転職の面接時にはポジティブな姿勢を見せることが大切ですが、
必ずしもきっかけが前向きな理由だったとは限らないと思います。

他に就職できなかったため介護職を選んだとか、
元いた職場に再就職できずにたまたま初任者研修を持っていたから介護業界に入ったなど、
仕方なく介護職を選んだ人もいると思います。

そういった人を対象に、
理由と対策を掘り下げていきます。

とても素敵な職業である介護職の魅力があなたに届きますように。

人生はいつもいつも第一志望ばかりを歩けるものではありません。
そして必ずしも、第一志望の道を歩くことだけが、
自分にとって最良と言えないことだってあるのです。

渡辺和子

①他の仕事を選べなかった理由と、
介護職を選んだ理由を書いてみる
②やりたい仕事の
どういうところに惹かれたのか書いてみる
③やりたい仕事と介護職の比較をしましょう
④あなたに足りないスキルは何ですか?

①他の仕事を選べなかった理由と、
介護職を選んだ理由を書いてみる

あなたがなぜ介護職を仕方なく選んだと思ったのか、
理由を紙に書いてみましょう。

好きな仕事、やりがいのある仕事を選べなかった場合と、
稼げる仕事を選べなかった場合とあると思いますが、
それ以外の理由でしょうか?

あなたがどうしてそれら仕事につけなかったのかを、
徹底的に突き詰めましょう。

マスコミ業界や商社、一流企業を狙ったせいで、
圧倒的なスキルをアピールできずに内定が取れず、
介護職を選ばざるを得なかったのでしょうか?

今だったらその仕事に、
その会社につけるでしょうか?

自分に何のスキルがあればつけると思いますか?

②やりたい仕事の
どういうところに惹かれたのか書いてみる

私は昔、
営業職をしていた大学時代のゼミ仲間がいて、
そういう人のようになりたいと思って営業職を目指そうとしましたが、
あまりにもスキルが足りな過ぎて研修期間で終了となってしまいました。

精神的にも打ちのめされましたが、
営業職をされている人に対する尊敬の念は今でもあります。

行動的で、
自分で案件を取ってきて、
会社の顔として仕事を円滑に回していくイメージがあります。

100件回って1件取れるかどうかというのも当たり前なのかもしれませんが、
そういった状況でもめげない姿勢も自分にないものでしたから、
当時、
そういう人になりたいと思ったものです。

あなたの場合はどうでしょうか?

どういう仕事に憧れましたか?

そして憧れた理由は何でしょうか?

あなたのやりたかった仕事は何ですか?

やりたかった理由は明確に言えますか?

具体的に書くことで、
自分がどういう人になりたいのかが見えてきます。

③やりたい仕事と介護職の比較をしましょう

私は以前、
中学生を対象にした塾の社会科の講師をしたことがあります。

人と関わることが好きだと大学時代に気づいてから、
人に教える仕事をしたいと思って塾の講師をしたのですが、
様々な準備不足によって多方面に迷惑を掛けながら、
ギリギリのところで働いていました。

他人に授業を行うためには自分がその知識を深い所まで知らなくてはいけないというのを知らないところから始まり、
社会科の内容もきれいさっぱり忘れていたせいもあり、
生徒以上に知らないところからスタートしました。

授業が崩壊するような状態から始まり、
何とか授業が成立するところまで持って行った辺りで、
契約が終了して塾の仕事を辞めることになりました。

塾の仕事と高齢者とでは相手の年齢が違いますし、
相手が耳が遠いかどうかという差はありますが、
分かりやすい言葉を使って相手の目を見て話さなくては、
伝わるものも伝わらないというのは変わりません。

何を話すか事前に準備するのも変わらなければ、
リアルタイムで直接反応を得られるのも同じです。

学習しなくてはいけないというプレッシャーがある生徒もいれば、
遊びに来た生徒もいます。

高齢者はどうでしょうか。

学習意欲があるかたもいるでしょうし、
話し相手を求めている方もいらっしゃいます。

相手が何を求めているのかを考えながら、
時に冗談を言いながら相手に話を聞いてもらうというのは一緒ではないでしょうか?

塾は少子化で小規模の所は潰れてしまうでしょうが、
高齢者は反対にニーズが拡大し続けているため、
場所を選ばなければどこにでも仕事はあります。

生徒に対して楽しいと思えることを話すように、
高齢者にも楽しいと思えることを、
面白いと思えることを話すことは変わらないのではないでしょうか。

プログラマーの仕事と比較しましょう。

プログラマーはプログラム言語を使ってパソコンに向かって仕事をすると思われるかもしれませんが、
詳細設計書についてシステムエンジニアや客先と話をしたり、
テスト仕様書で不明点を現場のリーダーに確認するなど、
とにかく確認作業をしなくては仕事を進めることができません。

何も分からないままテストをして現場に迷惑をかけるのを避けるためには、
自分が何をしなくてはいけないのか、
そのためにはどの情報を把握しなくてはいけないのか、
全体的にどう動くべきなのかなど、
業務知識を知らないと話にならない上に、
その要件独自の流れもあるでしょうから、
確認と調整に時間が取られます。

介護職も利用者さんの状態を一週間、
二週間単位で把握して最近の状態はいつものことなのか、
問題ないのか、問題あるとしたらどうするべきかを考えなくてはいけません。

その時に何を参考にするべきかを把握しておく必要があります。

たとえば日々のバイタルの値はどれほどか、
食事摂取、水分摂取はできているか、
排便は3日に一回は出ているか、
ADLの低下はないか、
痛みの訴えなどはないかなど、
確認するべきことは少なくありません。

それらをトータルで見て看護師や先輩職員、
ケアマネ、管理者と相談してどうするべきかを考えるので、
調整能力の前に自分で情報を集める必要があります。

プログラマ時代に論理的に考える力を徹底的に詰められたおかげで、
その後でも役立つ力を身に付けることができました。

このようにプログラマーと介護職は一見真逆のような職種ですが、
仕事として問題発見能力や問題解決能力、
情報収集能力が求められるのは変わりません。

④あなたに足りないスキルは何ですか?

介護職を続けることで、
介護技術や介護知識などを身に付けることができます。

あなたは介護職を仕方なく選んだのかもしれませんが、
現場の即戦力として働く自信はありますか?

昔家族の介護をしていたから介護の経験はあるといった場合でも、
施設には何十人と利用者さんはいるはずで、
あなたが予想もしていない利用者さんがきっといます。

そういった方々への対処法は大丈夫ですか?

これから親の介護をしていく必要がありますから、
そういう意味でも介護職はお金を貰いながら勉強できる仕事と言えます。

それだけでなく介護職をする中で身に付けた情報収集能力や交渉力などはどこでも役立つスキルです。

あなたが介助する利用者さんが家族だったらどう接するか、
利用者さんが自分だったらどう介助されたいかを考えながら介助するだけでも、
介助の質は向上します。

利用者さんに話しかけられるような気さくな存在に、
現場で頼られるような存在になりましょう。

そうなれば「仕方なく」が変わっていくはずです。

どうせ働くのならやりがいのある仕事をしたいと誰しもが思うでしょうが、
介護職はそのやりがいがある仕事です。

あなたが介護のことについてまったく知らないというのでしたら、
スキルや経験を手に入れるために本気になりましょう。

本気になればやりがいがついてきます。

だから「仕方なく」選んでも大丈夫なのです。

今働いている有料老人ホームで、

「何もできなくなってしまった」

という利用者さんがいます。

その利用者さんはトイレに行きたいとナースコールを押してくれるので訪室しますが、
身体を起こそうとするときにそういった発言をするので、
ある時ALSの病気の話をしました。

ALSは筋萎縮性側索硬化症(きんいしゅくせいそくさくこうかしょう)といって、
手足・のど・舌の筋肉や呼吸に必要な筋肉がだんだんやせて力がなくなっていく病気で、
難病の一つに指定されています。

元気だった人が徐々に体が動かせなくなり、
最後は眼球しか動かせなくなる病気なのです。

「何もできなくなってしまった」
という利用者さんに対して、
「だからあなたはまだ動く方なんですよ」
と言ったのですが、
その声かけが適切だったかは分かりません。

ただその方から、
毎回介助をするように気を付けているせいか、
介助のあとに
「ありがとう」
と言ってくださいます。

その利用者さんは認知能力も問題ない方で、
日々の生活に楽しみは見いだせてはいない様子なので、
そういった方に少しでも何かできたらと思っています。

いのちは大切だ。と、言われるより、
あなたが大切だ。と、言われた方が生きてゆける

渡辺和子

私はお金を稼がなくては生きていけないからこの仕事を選んだわけですが、
働く以上は良い仕事をしたいですよね。

頑張りましょう(^^♪