旦那が介護職では恥ずかしいと言われたら【介護は優しさを学ぶ場所】

介護職は恥ずかしい仕事ですか?

一般的に高給と言われる外資系や名の知れた上場企業に就職できたり、
医師や薬剤師など安定している仕事の方が世間の見る目も違うでしょう。

少子化により人口減少が進む日本において、
反対に高齢者が増加の一途をたどっています。

高齢者はいつしか認知症になり、
認知症でなくても身体に障害を持つと介護が必要になってきます。

そうなると介護職は必須の仕事となりますから、
市場としてのパイは限りなくあるにも関わらず、
どうして人気がないのでしょうか?

【介護職が恥ずかしいと思われる理由】
①低賃金
②誰にでもできる仕事

介護職は低賃金で有名です。

ハローワークでも介護資格の初任者研修を取得するためのサポートがありますし、
国を挙げて介護職を増やそうとするくらい、
需要がある割には人気があるとは言えない仕事です。

また介護職は未経験から始められる仕事です。

資格がなくても始められるため、
世間一般では誰にでもできる仕事で、
他にできる仕事がない人が行きつく
「人間ごみ捨て場」
と揶揄する人すらいるそうです。

逆に言うと、
これらが解消されれば介護職は恥ずかしいと思われなくなるわけです。

一つずつ考えていきましょう。

①低賃金

介護職に人気がない最大の理由がこれといってもいいかもしれません。

もし介護職が高給の職種であったらそもそも現場に介護職が沢山集まりますし、
応募者が集まれば次第に介護職の淘汰も行われて全体の質も底上げされます。
しかし実際に介護職は低賃金で、
低賃金であるため人気は上がりにくいです。

しかし介護職は今後も低賃金のままかというと、
私は違うのではと考えています。

介護の現場で介護職の募集をしても全然人が集まらないため、
企業は待遇を上げるようになりました。

国による処遇改善加算を使って施設が介護職員の給与を上げる対応をしたことで、
首都圏では月収30万円の求人が普通に転職サイトに載るようになりました。

国全体としては介護職が圧倒的に足りなくなるため、
企業が介護職員の囲い込みを始めていて、
介護職員としては給与が上がること自体は皆歓迎しているはずです。

また保険外サービスを組み合わせることで月収48万円を稼いでいる人もいます。

介護保険の枠組み内で働いている介護職は低賃金になりがちですが、
働き方を変えることで給与アップを狙えます。

副業や転職をすることでも給与アップしますから、
介護職は一律低賃金と考えるのは少し違うかと思います。

②誰にでもできる仕事

介護職は未経験でも始められる誰にでも出来る仕事であり、
それゆえに質の低下が問題視されている側面はあります。

介護職による事件が連日報道される度に、
日々真面目に仕事をしている介護職が憤慨しているのがツイッターを見ているだけでもわかります。

仕事を始める敷居が低いために問題が起きているとするなら、
敷居を高くすればいいのではと思うかもしれませんが、
日本の介護業界は圧倒的な人手不足という事情もあり、
数多くの事業所で猫の手も借りたいくらいに人手がいないというのが現状です。

だから入ってくる新人さんに対して敷居を上げようものなら、
介護職員が今まで以上に減ってしまうため、
一部の企業以外は新人の質を厳しく見定める体力はないと思われます。

そもそも問題を起こしている人は介護福祉士である場合もあることから、
新人の質を見極めることよりも、
職員全体の質の向上を目指した方が健全です。

さて、
誰にでもなれる仕事だから恥ずかしいと思う人の心理を考えてみましょう。

私も介護職には30歳を越えてから選択肢に入ったくらいでした。

もともと眼中になかった理由は、
介護職を舐めていたからでした。

業界研究を十分にしていなかった私でさえ、
介護職が「きつい、汚い、給料が安い」3Kの仕事だと思っていましたから、
わざわざ介護職を選ぶ理由はありませんでした。

漠然と自分はやりたい仕事を選びたいと思っていたし、
介護職の面白さを知ることはありませんでした。

それは私以外でもそうでしょう。

ネガティブな報道ばかりメディアで喧伝されれば人はいつしか思考自体がネガティブな発想に侵されますから、

「介護職はやっぱり底辺職だよね」

という共通認識を持たせようとしている節すらあるメディアの一面的な報道に私もどっぷりと侵されていましたが、
ひょんなことからリハビリ系の学校でヘルパー2級を取得することになり、
せっかく取ったのだからと介護の夜勤の仕事をしたことで、
今まで漠然と持っていた介護職への認識がいつしかなくなっていきました。

今では「誰にでもなれる仕事」というのは、
介護職のメリットだと思っています。

なぜなら介護職は誰にでもなれる仕事なのに、
奥深い面白さがあるからです。

ここで次のような反論がありそうです。

「綺麗事を言うことは誰にでもできるけど、
介護職なんて底辺職を選ぶような人は人生の負け組ではないか?」

何をもって人生の勝ち組、負け組かは人それぞれなので大枠で捉えますが、

「お金を稼げるような仕事を諦めて、
誰にでもできる仕事を選ばざるを得なかったような、
中途半端な人が集まっているのが介護業界なのではないか?」

とします。

まず介護業界に入るには無資格で入る場合と学校で入る場合があるため、
介護職をしている人が全員、
勉強熱心でないとか不誠実だといった批判は見当違いです。

私が出会った専門学校を経て介護福祉士の資格を取った先輩も、
しっかりとした知識をベースに指導をしてくれましたし、
それ以外の先輩も丁寧に指導してくれました。

一緒に働く同僚たちも利用者さんへの対応を丁寧にしている人が多くて、
そういった人たちを他の業界でうまくいかなかったため介護業界に流れてきたと決めつけるのは失礼です。

ちなみに私はプログラマーとしてうまくいかなくて、
たまたま介護職が視野に入ったため介護職に転職できたので、
高い志もありませんでしたし、
介護職の魅力、
面白さに気づくのに何年もかかったので今までうだつのあがらない介護職でしたが、
最近は勉強して利用者さんのためになれるように仕事を真面目にするようになりました。

介護職の質は、
最初から高くなくてはいけないのでしょうか?

低いよりは高い方がいいのかもしれませんが、
仕事の魅力に気づくまでにある程度の時間が必要な場合があります。

私は毎日の排泄介助などの仕事に加えて、
カンファレンスで話す内容をまとめるために必死で利用者さんのADLや行動パターンを推測したり分析したり、
または議事録を書き続けたことで徐々にできることが増えていき、
現場で沢山指摘を受けたりしながらできることを増やしていったので、
魅力を知るまでに時間がかかってしまいました。

完璧な介護職だけしか必要ないというのでは、
新人はいつまで経っても成長する余地がなくなってしまいます。

誰にでもできる仕事だから新人は入ってくるし、
新人が入ることで現場の空気が変わって、
新陳代謝が行われる側面はあるはずです。

今まで気づかなかったことを新人から質問されたことで気づくこともあるでしょうし、
教えることで学べる事だってあるはずです。

誰にでもできる仕事だから間口が広いわけで、
だからこそ様々な人に介護職の魅力が伝わるチャンスがあるのだと捉えるのは楽観的すぎるでしょうか?

介護の専門性を高めるのももちろん大切ですが、
その前に介護の魅力を知ること。

感じること。

伝えることが大切です。

その中で技術や専門性、
プロ意識が芽生えるものと思います。

「逃げたっていいじゃない。人間だもの」

介護職にめぐり逢った人がそこで多くの利用者さんと出会って、
仕事をする面白さと難しさ、楽しさを知ることができるのなら、
私は介護職が「人間ごみ捨て場」でも構わないとすら思います。

仕事と人生を楽しんでいきましょう。

とあるサイトで、

「私なら、最初から選ばない職業です。
余程、優しい人でなければできない職業だと思います。」

と書いている人がいました。

優しい人が介護職を選ぶことはもちろん歓迎したいですが、
もともと優しい人でなかった私が仕事を続ける中で、
何年も経ってようやく、
優しい対応とは何かを日々感じるようになってきました。

人間は寂しさの中で成長します。
寂しさを感じない時には気づかなかった自分の無力さと限界を知り、
他人と自分の間に横たわる
必然的な距離について考察するようになります。
寂しさの苦杯をなめて、はじめて、
他人もまた味わっている孤独感への
やさしいいたわりの心を育てることができるのです。

渡辺和子

何年も介護職を経験したことで優しくなれますから、
「優しい人でなければできない」
と及び腰になるよりも、
気になるのならとりあえず経験してしまうのが一番です。

JUST DO IT! (^^)/