介護士の離職率を下げるためにするべき対策【管理者が介護職の待遇UPに尽力しましょう】

前回の記事で、
職員のあいさつから変えていき、
前向きな発言には加算評価をすること、
後ろ向きな発言には減算評価をすることで、
職員の意識、発言を変えていった職場を紹介しました。

職場の人間関係を改善させることが離職率を下げるためにとても大事なのですが、
今回は経営陣を含めて職員の待遇改善に乗り出した例を紹介します。
ここまでできる施設が果たしてどれだけあるのか疑問ですが、
ですができることはあるはずです。
離職率を下げるためにも、
働きやすさ改革という言葉が形骸化しないように、
現場でも、
管理者側としても努力が必要です。

①特養「寿光園」の取り組み
②処遇改善加算を公平に職員に還元しましょう

①特養「寿光園」の取り組み

以下のリンクから引用・再構成していますのでご了承ください。

特養「寿光園」 働きやすい職場づくりめざして

設立してから41年目を迎える寿光園は、
介護職員の平均年齢が52歳で、
平均勤続年数は14年越えとなります。

「経験・技能を有する介護福祉士」の対象となる職員は、
短期入所、通所介護、訪問介護の事業所を合わせて23人となり、
勤務している介護福祉士のおおよそ2人に1人にあたります。

設立が古い上、
特定加算要件の「月8万円以上増、または年収440万円以上」についても、
年収440万円越えの職員が既にいるためクリアできています。

「勤続10年以上」の要件については、
この法人の判断で「勤続8年以上」を対象者としました。

設立が8年未満の事業所の場合の介護福祉士については、
他の法人で働いた勤務年数も含めて計算しているとのことです。

設立10年越えの事業所では、
この法人で勤務歴のある場合には、
以前の勤務期間も加算した上で8年以上の勤務を必要としました。

福森施設長がいうには、
「退社し復帰した職員が多いのも当法人の特徴で、
経験・技能のある23人のうち6人程。
当法人での就労を評価して、以前働いた期間も加えた」
とのことです。

処遇改善加算とは別に、
独自財源を使っての誕生日の祝い金を用意したり、
定年を66歳への延長など、
働きやすい職場づくりを目指しているそうです。

現行の処遇改善加算についても夜勤手当などに充当することで、
夜勤手当の増額が行われましたし、
夜勤以外でも早朝や日祝の勤務手当の割り増しを実施しました。

「その結果、夜勤の就労にも、前向きな介護職員が増えた」(福森氏)。

特定処遇改善加算の配分により、
「経験・技能のある介護福祉士」は平均1万8,000円、
「その他の介護職員」は平均9.000円、
「他の職員」は平均4,000円程度の賃金増になります。

各人のアップ額は、
基本点数(介護福祉士10点、8年以上勤務5点、労働時間週40時間5点など)に、
月の就労時間などを掛け合わせて算出します。

「規定を作るのに、
定期的に開催される経営会議や施設長会議、
現場の責任者会議などで、
みんなが働きがいのある仕組みにしようと練った。
同加算だけでは皆が納得できる仕組みにするのは難しいので、
人材の確保に向けて、
法人が独自の工夫をすることも必要だと考えた」(福森氏)。

同施設では、
縁日や講演会などの地域活動を積極的に行うことで、
施設で働くボランティアやパートが集まるようになっているそうです。

一方で、
来春初めてベトナムから留学生2人と、
法人内の他事業所でモンゴルから技能実習生8人を受け入れる計画です。

引用、再構成はここまでです。

特養「寿光園」 働きやすい職場づくりめざして

②処遇改善加算を公平に職員に還元しましょう

職員の待遇を上げるために、
施設長が率先して動いでいる現場が果たしてどれだけあるでしょうか?

前働いていた有料老人ホームで、
国から毎月貰えるはずの特定加算が施設運用費としてプールされていて、
それは退職金に宛がわれるから毎月払うことはできないと言われましたが、
他の施設では普通に貰えているはずのお金が貰えない事に対する不信感が、
職員間に蔓延していました。

入社当初から施設が社員への待遇を手厚くしなかったことも、
離職率が低くならなかった理由の一つだととらえています。

人間関係に多少の問題があっても、
待遇がしっかりとしているとか、
ある程度会社に対して信用があれば、
働き続けようと思うものだと思いますが、
人間関係も悪くて待遇も悪いところに居続けようと思う職員は今の介護業界では、
決して多くはないはずです。

人手不足が叫ばれて、
どの職場でも人が足りないと言われている中で、
人間関係の改善を行うだけでなく、
待遇に本腰を入れて取り組まなくては一気に退職者が出てしまいます。

退職者が一度に数名出ると、
さらなる退職者を出す呼び水となります。

なので施設の管理者としては、
人間関係の改善だけでなく、
職員に対して処遇改善を行わないとか、
労働組合費でさらなる出費を課したりとか、
有給を取らせないとか、
休日出勤をさせてミーティング出席を必須にするとか、
残業代を出さないとか、
職員への負担ばかりを強いているようでは職員が疲弊してしまいます。

疲弊した職員が離職してしまうのは当然です。

寿光園では処遇改善加算以外の独自財源を使って、
職場を働きやすいようにしたり、
職員を含めて待遇面で公平にしたり、
別施設での経験も考慮した経験年数にするなど、
とても職員にとって働きやすい体制が整っているからこそ、
離職率が低い現場が実現できているのでしょう。

一旦辞めた職員が戻ってくるなど普通はありえないわけですが、
それでも戻ってきたいと思わせるほどの理想的な職場環境だからこそ、
6人も職員が復帰したのでしょう。

現在、介護保険だけで施設が運営できる所は多くありません。

建物だけ用意しても職員が集まらなくて、
結局倒産してしまう施設が多数あるのが実情です。

それは特養でも例外ではなくて、
人手が集まらないため利用者さんを施設が本来受け入れられる規定の人員入居させられなくて、
人数制限しているところもあるといいます。

他の業界以上に人手不足なので職場環境、
待遇面を改善しないのは自ら死にに行くようなものです。

施設としては経営的に保険外サービスを十分に活用して、
事業者としてリスクマネジメントを考慮した運営をすることが必須となるでしょう。

職員にばかりリスクマネジメントを求めていないで、
自ら改善することです。

外国人労働者の受け入れも真剣に考えなくてはいけないでしょう。

日本人の介護業界への参入が決して多くないのですから、
外国人労働者をここまで受け入れますので、
働いてくださいと待遇面をアピールしないと、
どんどん他の国、他の施設に人材が流れていってしまいます。

日本人であれ、
外国人であれ、
従業員への待遇を真剣に考えない施設に将来性はありません。

まず出来ることは、
他の施設でおこなっている処遇改善加算を職員が納得する形で
給料に上乗せすることでしょう。

職員に納得する形ですので、
職員と話し合って決めるのが理想です。

寿光園のように職員を含めて会議を開いて、
給料、待遇について話し合いをしてください。

そして出来ることなら保険外サービスを開始していきましょう。

保険内でできることには限りがあり、
それだけで職員の待遇を改善できるとはとても言えません。

利用者さんのニーズをくみ取り、
それに応えつつ、
サービスの対価を得て職員に還元する。

この流れをしっかりと作っていきましょう。

現場に問題が山積していて、
人手が足りないのに保険外サービスができるわけないと言われるかもしれませんが、
だとしても問題が整理されていないから問題が山積みなのかもしれません。

何が問題で、何から解決していかなくてはいけないのか。

しっかりと整理して考えていきましょう。

頑張りましょう(^^)/