介護士が知っておくべきコミュニケーションの方法【仲良くなるには共感が大切】

ネットで高齢者とのコミュニケーションの方法で調べると、
利用者さんの話をただ聞くのではなくてその奥にある気持ちを汲み取りながら、
耳だけじゃなくて心をその方に向けて聴くようにとか、
利用者さんの言葉や感情を否定せずにありのままに受け入れましょうとか、
気持ちを理解して暖かく寄り添いましょうとか、
「そんな上っ面なアドバイスでできるかい」と、
「共感できない自分はどうすればいいんですか」と、
思っていましたが、
そんな昔の自分にアドバイスします。

「できることを増やしましょう」

共感するためには、
同じ体験をしなくてはいけないからです。

戦争を体験した人に共感できるでしょうか?

共感した気になることは出来ても、
本当に共感することはできません。

しかし東日本大震災を経て、
日本人の多くが生命の危機、
生活の危機に陥るとはどういうことか肌で分かったかと思います。

それまでは地域で起こった天災に大変だとは思いつつも、
どうしても他人事と思っていた自分ですらも、
東日本大震災で起こった様々な事が、
今後また起こるかもしれないという危機意識を育ててくれました。

誰かに共感するためにはある程度の経験が必要で、
本や伝聞では共感には限度があるため、
利用者さんに共感するには何かしらのフィルターを通してしかできないのだと思います。

だから「できることを増やしましょう」というのは、
利用者さんの昔の時代は分からなくても、
石原裕次郎は好きですよとか、
美空ひばりは良い歌手ですよねとか、
時代を象徴する人の事は最低限勉強するべきだったと今更ながら反省しました。

知ろうとする努力もしないで共感できるわけがないのだから、
どうすればその人を好きになれるのか、
もっと真剣に考えるべきでした。

考えてこなかったからこそ、
利用者さんに感情移入できなかったのでしょう。

限られた情報からできることをする。

そうすればきっと利用者さんを好きになれるはずです。

頑張って好きになりたくないって?

一度好きになったら、
頑張らなくても調べるようになるから大丈夫です。

だから最初だけ頑張りましょう。

ちょっとだけ調べて、自分の中にアンテナを立てましょう。

共感のアンテナを今まで立てていなかった人は、
その情報がふいに訪れてもアンテナが立っていないので受信できません。

アンテナを立てた人は、
情報が次々に目の前に入ってきます。

だから現代介護士の基礎知識として、
石原裕次郎と美空ひばりと島倉千代子は必須なのです。

もちろん利用者さんは様々ですから、
その人が発した大好きなものを調べるのが一番いいのは言うまでもありません。

①自己開示
②利用者さんが本当にしたいことを探ろう
③利用者さんの良い所を褒めよう
④喋れなくても優しい利用者さんがいることを知ろう
⑤気難しい人を好きになろう

①自己開示

利用者さんはお話しができる人もいれば、
基本的にまったく言葉を発しない人もいらっしゃいます。

認知がなくクリアでこちらの言葉を完全に理解できる人もいれば、
まったく話が通じない人もいます。

なので職員の話をすることは今まで全然してこなかったのですが、
一番大切なのは自分の話をすることではと思うようになりました。

それは言い換えると自己開示ということになります。

心を開いて利用者さんに向き合うことで、
利用者さんの様々な表情を引き出すことができるようになるからです。

なので自分が一番欲しいものを利用者さんに伝えて、
どうすれば手に入れられますかと聞くことで、
利用者さんからもしかしたらいいアドバイスを貰えるかもしれませんよ。

例えば、
「彼女が欲しい」とか「結婚したいんです」とか、
「何とかなるわよ」なんて適当な返答は許さない勢いで、
うっとおしくない程度に自分の置かれた現状を話すことで、
自分が悩んでいることはこれだと利用者さんにお伝えすることができますし、
利用者さんが真剣に考えてくれるかもしれません。

会話の切り口として持っておくと、
利用者さんの経験談や過去の話を引き出すきっかけともなりえます。

相手の事を知ることで相手の顔と名前を一致させられるなら、
自分の悩みを打ち明ければいいのです。

分かってくれるはずがないとか、
相談するような相手じゃないとか、
そんな理由で利用者さんと話をする機会を減らしているくらいなら、
自分の失敗談や悩み事を話題のきっかけにして、
利用者さんと話をすることを楽しみましょう。

会話を楽しむことで少しずつ、
利用者さんの性格が見えてくるはずです。

②利用者さんが本当にしたいことを探ろう

話ができる利用者さんに対して、
たまに海外旅行について話を振る事があります。

「今まで海外旅行に行った事ありますか?」と。

行った事がある方が結構多いので、
そこから話が膨らみますが、
先日聞いた方は今まで行った事がないとのこと。

私はすかさず、
自分は今まで二回、海外旅行に行った事はあるけれど、
最近は行けていないんですよとお答えしました。

時間を作れないから、と。

「でも〇〇さんはお金さえあればいけるんじゃないですかね?」

台湾にも行ったことがないという利用者さんでしたので、
ご家族にお願いしましょうよとお話ししました。

今しか行く機会がないのだから、
今のうちにと。

有料老人ホームで生活されている方で裕福な家庭がある一方で、
年金を使って何とか生活されている方もいらっしゃいます。

日々の日用品にも気を使わなくてはいけないほどお金に困っている方もいるため、
海外旅行を提案した所で実現するかと言われれば難しいのが実情でしょう。

ですが実現できるかを考えるのは一旦脇に置いて、
何がしたいかを話し合うことが大切です。

本当は何がしたいか。

何に心が動くか。

それを知ることで、
利用者さんの事が少し知ることができます。

お酒が好きな方もいれば、
おしゃべりが好きな人、
一人で静かに過ごされるのが好きな人もいれば、
寂しがり屋な人もいます。

その方はどういう人なのかをもっと掘り下げましょう。

③利用者さんの良い所を褒めよう

利用者さんとお話をしていて、
笑顔を見せてくれる時がしばしばあります。

そうするとこちらとしても安心するわけで、
笑顔を見せていただける方には引き寄せられるようにまた話したくなります。

「素敵な笑顔ですね。〇〇さんのこと、もう覚えちゃいましたよ」

素直に褒められることが見つかったら、
ぜひ褒めて差し上げましょう。

褒めることを意識すると会話が滞ってしまいますから、
会話を楽しむことをまずは重視して、
その上で感心できることがあったり、
素敵な事を見つけたら、
「いいね」していきましょう。

いいねは多く上げすぎると心が疲弊してしまうので、
本当に思った時だけで構いません。

そして一日の最後に、
頑張った自分にも「いいね」してあげてください。

自己評価の低いひとほど、
自分を受け入れられない事が多いはずです。

ですが仕事をするということは、
誰かにサービスを提供しているということです。

サービスに価値があるから対価をいただけているわけで、
最後に少しだけ、
自分を褒めましょう。

④喋れなくても優しい利用者さんがいることを知ろう

言葉が喋れない人、
話が伝わらない人もやはりいらっしゃいます。

でもその方が気難しいから喋れないのかというと、
そんなことはない場合が多々あります。

言葉が出なくても相手の話を聞くことが出来る人には、
職員が声を掛けて笑顔で挨拶をするとか、
何かお声がけをしていきましょう。

その利用者さんがどんな方かケアプランを見るのは必須です。

どのように生活されて、
今に至ったのかを把握して、
そしてどういう方なのかを知っていきましょう。

知ることで、
あなたがどのように話しかけるか変わってくるはずです。

⑤気難しい人を好きになろう

会話が成立する人や、
笑顔を見せてくれる人と仲良くなることはしやすくても、
気難しい人とどうコミュニケーションを取っていくか慣れてない人はいるかと思います。

私も慣れているとは思っていませんが、
どう対応するかは考えるようになりました。

それはケアプランを見て、
利用者さんのご家族さん、
スタッフなどから情報を収集して、
その人がどんな人だったのかを想像すること。

その利用者さんの言動から、
どういうことがお好きなのかを知ろうとすること。

そうして少しずつ、
その方が何が好きなのか、
何が嫌いなのか、
どんな介助ならさせてただけるのか、
どんな介助方法をすると嫌がってしまうのか、
見えてくるはずです。

ひとつでも好きな所を見つけられたらいいですね。

それを踏まえて、
介助の感覚を掴んでいきましょう。

声のトーン、声量、どちらから声かけしたか、
その方の体調は万全かなど、日々変わることもあるため、
一日だけで把握するのは難しいでしょうから、
毎日毎日積極的にお手伝いしていきましょう。

今回、
テーマをコミュニケーションにして事前に書く内容を決めてから一晩寝たら、
ご家族さんにリサーチする夢を見てしまいました。

「〇〇さんは、どんな方だったんですか?」

とご家族さんに質問したら、
ケアプランからは絶対に出てこない貴重な情報が満載で、
こういう話があれば感情移入しやすいんですけどね、
というエピソードを沢山聞くことができましたが、
全て夢なので詳細は割愛いたします。

(昔は絶世の美女で女優で売れない頃に撮った映画で一躍有名になって周囲の見る目が変わったとか、
母親としては放任主義だったとか、
結婚後の旦那さんのDVで顔に痣を作ってしまい、
映画の脚本を変えてしまったけどその演技力が評価されて大ヒットしたとか、
絶対その人と違うから)

利用者本位とか自立支援とか自助努力とか言われますが、
その方への一定の共感や感情移入がないと、
現状のどこに問題があるか、
どう改善していくか考えることがなくなってしまう気がします。

なので目線はどうだとか、
声のトーンはどうしましょうとか、
コミュニケーションの技術は色々あると思いますが、
一番大切なのは利用者さんに感情移入できるかどうかではないかと思います。

現場を楽しく、
仕事を楽しんでいきましょう(^^♪